東洋医学の基礎知識とその概念

東洋医学は、中国や日本など東アジア圏を起源とする伝統的な医学を指します。東洋医学には、日本の漢方医学をはじめ中国の中国医学、朝鮮半島の韓医学などがありますが、元を辿れば古代中国で生まれた考え方とされています。
薬や外科手術などによって治療を目指す西洋医学に対して、東洋医学は病気や怪我の原因を突き止めてそれを治療するのが主な目的です。患部だけでなく全身を診察し、病気の原因を根本的に解決、および改善するための治療法を探ります。

体の不調を内側から治療するのが主流であり、生薬や漢方、灸、鍼を用いるのが大きな特徴です。また、肩こりや日々の疲労、原因を特定しにくい頭痛などを解決するツボ、指圧も東洋医学の一種です。
体が健康である状態を定義づけるべく、東洋医学では3つの要素を重視しています。生命活動を行ううえで必要なエネルギーを「気」、血液の「血」、リンパ液や汗などの体液全般を「水」と呼びます。この3つが滞りなく、滑らかに巡っていれば、東洋医学では健康的な状態です。

さらに、この3つの要素は互いに影響し合っており、1つでも異常が現れると全体の整合性が崩れると考えられています。3者のバランスが崩れることにより、体調が崩れやすくなるため、健康状態を保つにはバランスを崩さないことが大切です。
この独自のアプローチは、世界でも注目を集めています。長期的な治療や根本的な体質改善を図る治療法として、医療現場以外にもスポーツや福祉の分野に用いられています。